どーも!しゃんばりです!
今日もライテク図書館にお越し頂きありがとうございます!!
あなたは「もっと速く回転できるようになりたい」と思ったことはありませんか?
ギターをやり始めた人がもれなくFコードに苦戦するのと同じくらい、モトジムカーナの世界に足を踏み込んだ方が真っ先にぶつかる壁。
そのひとつが回転です。
実は、どんなに回転の練習を頑張っても、
「車両姿勢」が適正化されていないと、今以上に回転を速くすることが難しい
という場合があります。
今回はその「車両姿勢」について、実例を交えてご紹介していきます!
この記事を読むとこんなことが分かります
- 速い回転は「倒れる直前のコイン」のイメージ
- 速い回転がしにくい車両姿勢は3種類あんねん
- しのすけ選手のお悩み:回転中にバイクが起きてしまい回転半径が大きくなる
- 0円でできる対応方法をご紹介!
- おまけ
速い回転は「倒れる直前のコイン」のイメージ
まずはこちらをご覧ください
ジムカーナ選手であれば誰しもが憧れるトップレベルの回転ですね!
続いてこちらをご覧ください。
コインの回転が最も速くなるのは、コインが倒れる直前だったのがお分かり頂けるでしょうか?
実は、上級シード選手の回転も、このコイン同様に倒れるギリギリ手前を維持しているから速いんです。
故に、たまに本当に倒れてしまう(転倒してしまう)わけですね!笑
もし読者の方の中で
「まだ回転中にフロントタイヤが滑るほどバンクしたことがない」
もしくは
「おっと危ない!滑るところだった!という経験をしたことがない」
という方がいらっしゃいましたら、まだこの「倒れる直前のコイン」状態になれていません。
もちろん、転倒しろと言っているわけではありません!
ただ、この記事を読むにあたり、フロントタイヤが滑った経験があるかないかで、
理解のしやすさに少し差が出てくるかもしれません。
もちろん、
急にトップ選手のような回転(倒れる直前のコイン)を目指すと転倒してしまいますので、
今のご自身のバンク角(まだ倒れそうにないコイン)から「もう少しで倒れそうなコイン」へ
まさに実際のコインのように時間をかけて徐々に徐々に倒していってみて下さい。
そうしてみると、
意外と「一瞬だけ」なら「倒れる直前のコイン」のような回転を味わえることがあるんです!
それを一瞬だけでなく、なるべく継続できるように練習していくことで、
トップ選手のような回転を習得することが出来ます!
一朝一夕で出来るようになることではないので地道な練習が必要ですが、
「自分は倒れる直前のコインになれているのか?」
「まだ倒れそうにないコインなんじゃないか?」
と、脳内で自分に問いかけながら、
まずは「もう少しで倒れそうなコイン」を目指して練習してみて下さい♪
速い回転がしにくい車両姿勢は3種類あんねん
倒れる直前のコインは一朝一夕でできることではない。地道に練習が必要。
とお伝えしましたが、実はどれだけ練習しても
倒れる直前のコインになる前に倒れてしまう車両姿勢がある
ということはご存じでしょうか?
どんな車両でも「まだ倒れそうにないコイン」の状態から「もう少しで倒れそうなコイン」の状態くらいまではイケるんですが、
車両姿勢が崩れていると、
「倒れる直前のコイン」を目指そうとした途端、グリップが破綻し転倒してしまう。
という状態が起こりえるんです!
「自分は回転でコケることが多いなぁ」と思ったことがある方は要注意かもしれません!
では、
一体どんな車両姿勢だと「倒れる直前のコイン」になる前に破綻してしまうのでしょうか?
それは大きく分けて以下の3つが挙げられます。
・車両姿勢が前下がりすぎる
・車両姿勢が前上がりすぎる
・車両姿勢が後上がりすぎる
この3つの状態の時それぞれどういう症状が起こりえるのかを具体的にご説明していきたいのですが、
と、その前に!
え、前下がりと前上がりと後上がりがダメなら、後下がりにすればいいってこと?
って思った方はいませんか?
いいところに気づきましたね~!
実はこれ、C2~C1選手が良くハマりがちな落とし穴なんです笑
ただ、この話をし始めると本題からズレてしまうので、
この記事の最後におまけとして触れたいと思います♪
では
上記3つの状態の時、それぞれどういった症状が起こりえるのかをご紹介していきます♪
下記に示すのはあくまで代表例です。
これに当てはまらなければその車両姿勢には当てはまらないという意味ではありませんのでご注意下さい!
車両姿勢が前下がりすぎる場合
「車両姿勢が前下がりになると、フロントタイヤに荷重がかかりやすくなる」
というのはイメージしやすい方も多いと思います。
基本的にタイヤは荷重がかかっていた方がグリップするのですが、
もし車両姿勢が前下がりすぎる場合、このフロント荷重も「かかり過ぎ」の状態になり、
タイヤが発揮できるグリップ力を超えた荷重がかかるせいで破綻(転倒)する
という症状が起こります。
そもそも荷重がかかると何がいいの?
という方はこちらの記事も一緒にご欄頂けますとイメージしやすくなると思います♪
また、車両姿勢はキャスター角にも影響します。
車両姿勢が前下がりすぎる場合、
キャスター角が減る影響で実舵角が大きくなり、
倒れる直前のコイン状態になるまでバンクできない(バンクさせると破綻する)
という症状が起こる場合もあります。
こちらについても過去に記事にしていますので、
まだ読んだことがない方はこちらも一緒にご欄頂けたらと思います♪
車両姿勢が前上がりすぎる
前下がりすぎの時とは反対に、
フロントタイヤに荷重がかかりにくくなることは言うまでもありませんね!
したがって、
本来荷重をかければ発揮できるはずのフロントタイヤのグリップ力が十分に発揮されない
=倒れる直前のコイン状態になるまでバンクすることが出来ない(バンクさせると破綻する)
という症状が起こります。
また、キャスター角についても同様に、前下がりすぎの時とは反対の現象となります。
キャスター角が増えることで実舵角が小さくなり、旋回半径が大きくなってしまう
=結果的に速い回転ができない
という症状に至ります。
車両姿勢が後上がりすぎる
「前下がり」と「後上がり」は同義のように感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、
実は結構異なるポイントがあります。
まず、決定的に異なるのは重心位置です。
それをイメージしやすくするためには、「重心三角形」を知っておく必要があります。
重心三角形とは
・ライダーと車両の重心
・フロントタイヤ接地点
・リアタイヤ接地点
上記3点が成す三角形
のことです。
前下がりの場合と後上がりの場合ではこの重心三角形の形が変わっているのが分かりますか?
(ちょっとイラストが手抜きで恐縮ですが。。。)
で、
こちらの記事でも紹介した通り、
加減速をした時に前後タイヤを回転中心として、重心が回転するような動きをします。
その場合、前下がりのような平べったい三角形よりも、後上がりのような背の高い三角形の方が
ピッチングモーションが大きくなりそうなのはイメージできるでしょうか?
すなわち、
前下がりよりも後上がりの方が
ピッチングが大きくなりやすく、それに伴う荷重変動も大きくなる
と言えます。
他にも色々と差はあるのですが、
そこを言及し始めるとそれだけで記事にできてしまうので、今回は割愛します。
ここでは、
「前下がり」と「後上がり」の車両の前傾度合いが同じであったとしても、
「後上がり」は「前下がり過ぎ」の症状がより顕著に出る
ということだけ覚えておきましょう♪
しのすけ選手のお悩み:回転中にバイクが起きてしまい回転半径が大きくなる
さて、
車両姿勢によっては速く回転するのが難しいということをご理解頂いたところで、
実際の例を見てみましょう!
今回頂いたご相談内容は、
「回転中にバイクが起きてしまい回転半径が大きくなる」とのことでした。
確かに、
16秒付近までは綺麗にコーナリングできていますが、
17秒あたりで車体が起きてしまっていますね!
結論から申し上げますと、
「フロントフォークの反力が高すぎる」せいで「前上がりすぎ」になっている
と言えます。
なんで動画を見るだけでわかるの?
と思ったそこのあなた!
もう一度、上の動画の16~17秒当たりをよ~く見てみて下さい♪
特に、フロントフォークの縮み具合に注目です!!
車体がムクッと起きる時に、フロントフォークがぴょこ!っと伸びているのがお分かり頂けたでしょうか?
もう少し見やすい画角(1分14秒付近の右ターンと1分19秒付近の左ターン)で再度見てみましょう。
こうして画像を並べてみると、
上手く旋回できている右ターンではしっかりフォークが縮んでいるが、
車体が起きてしまった左ターンではフォークが伸びている
というのが分かりやすいかと思います。
この違いは一体何なのでしょうか?
答えは動画を1分11秒あたりまで遡って見て頂けると分かりやすいです。
1分14秒の右ターンに進入する前、
1分11秒あたりから非常に長いストレートがあり、しっかり加速できています。
そのおかげで、1分14秒の右ターンでは、
旋回が終わるまでフォークを縮めておけるだけの荷重をかけ続けられる
一方、
1分19秒の左ターンの進入は、直前の右ターンを立ち上がってすぐなせいで加速区間が短く、
かけている荷重よりもフォークの反力の方が勝ってしまい、
旋回中にフォークが伸びてしまっている
フォークが伸びたせいで車両姿勢が前上がりとなり、旋回が大回りになってしまっている
というわけです♪
では、
どうセッティングを変えたらこの症状が改善すると思いますか?
フォークの反力が強すぎるということは、それを弱める方向に振ったらいいのでは?
そう思えたそこのあなた!セッティングの才能アリです!!
あれ?
フォークの反力が強すぎるということは、
それを上回る荷重をかけられるようにするのもアリでは?
と思ったそこのあなた!
あなたはもうこの記事を読む必要はありません!笑
こんな記事に頼らなくても独力でセッティングスキルを身につけていけますので、
今すぐブラウザバックしてください!笑
というのは冗談ですが、
実は
・フォークの反力を弱める
・フォークの反力に勝る荷重をかけられるようにする
はどちらも正解になりえるんですが、
今回は「フォークの反力を弱める」方がベターである。
と考えられる根拠がいくつかあります。
1. ライダーの体重が車両のターゲットユーザーよりも軽いと思われること
2. フロントフォークの仕様が純正のままであること
3. 2次旋回に比べ、1次旋回の車両姿勢は悪くないこと
ひとつずつ順を追ってご説明していきましょう!
ライダーの体重が車両のターゲットユーザーよりも軽いと思われること
VTRに限った話ではなく、
どんなバイクも開発時にはターゲットユーザーを設定し、
「その人がどんな乗り方をしても不具合がないように」という考え方で開発されています。
ん?どういうこと?
と思った方は、こちらの記事で詳しく説明していますので、よかったらご欄下さい♪
とはいえ、体重50㎏の人も100㎏の人も
全員にとって100点なサスペンションになんて到底できるわけがありません。
仮にVTRのターゲットユーザーが日本の成人男性だったと仮定した場合、
70㎏前後(日本の成人男性の平均体重)の人が最も気持ちよく走れるように、
各部の剛性やサスセッティングなどがチューニングされていると考えられます。
その場合、
体重が70㎏よりも大幅に軽い人が乗った場合、
そもそも純正フォークの反力が高すぎると考えた方が理にかなっている。
というのはお分かり頂けるでしょうか?
フロントフォークの仕様が純正のままであること
もし、しのすけ選手が既にフォークの仕様変更をしており、
純正よりも大幅にバネレートを下げているなどの対応をしていたら、
それ以上にフォーク反力を下げるのではなく、今より荷重をかけられるようにセッティングする
というのも選択肢として挙げられますが、
しのすけ選手はまだ純正仕様のまま乗っているとのことでしたので、
先述の理由から「今より荷重をかけられるようにする」という選択肢は一旦除外しました。
裏を返せば、
フォーク反力を下げる方向でセッティングしてみて、それでも症状が改善しなければ、
「今より荷重をかけられるようにする」という選択肢が復活する
とも言えます。
2次旋回に比べ、1次旋回の車両姿勢は悪くないこと
先述の通り、
先の動画の16秒あたり(1次旋回)では綺麗に旋回できているが、
17秒あたり(2次旋回)でフォークが伸びてしまっています。
この「1次旋回は悪くない」というのはキーポイントで、
2次旋回の時に今より荷重をかけられるようにする
=1次旋回でも今より荷重がかかってしまう
ので、
1次旋回がフロント荷重過多で破綻しやすくなったり
キャスター角不足でハンドルの切れ込みが強くなったり
という背反が出てくる可能性があります。
そこで、
まずは反力を弱め、それでも足らなければ荷重をかけやすくする
という順番が最適と考えました。
0円でできる対応方法をご紹介!
今回は「フォークの反力を弱める」方がベターと判断しましたので、
セッティング手法としては大きく分けて3つ
・プリロードを抜く
・バネレートを下げる
・油面を下げる
が挙げられます。
ただ、今回のケースではプリロードはあまり効果的ではないと考えられるので、
バネレートを変える or 油面を下げる の2択になります。
本音だけで言えば「どちらも試した方がいい」ところではあるのですが、
今回はあまり費用をかけずにできる「油面を下げる」という手法をご提案させて頂きました。
油面調整というと、こういった専用工具を使う場合が多いのですが、
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・専用工具を揃えるのにお金がかかる
・使った後の掃除がめんどくさい
・しまう時に場所をとる
といった理由から、筆者は専用工具を使わずに油面を調整しています。
やり方はこちらの記事でも紹介していますのでよかったらご欄下さい♪
油面調整で2次旋回が改善!
いかがでしょうか?
ご相談頂いた時に比べ、2次旋回で車両が起き上がってしまう症状は緩和していることがお分かり頂けるかと思います。
一方で、前上がりの症状がまだ消え切っていません。
(正しくは前上がりではなく後下がりの症状です)
後日しのすけ選手に伺ったところ、
リアサスを純正サスからナイトロンに変更したとのことでした。
しのすけ選手にリアサスの仕様を伺ったわけではないので、あくまで筆者の推察になりますが、
恐らくリアサスの全長・プリロード・バネレートのどれかが
純正サスよりも後下がりになる方向の仕様になっているのではないかと考えられます。
(違ったらすみません)
現在しのすけ選手からのご相談は一旦終了している状況の為、
その後のアドバイスはさせて頂いておりませんが、
ここから更にタイムを詰めていくのであれば、
まずはリア下がりを是正していく方向でセッティングを変更していくことになる
と考えています♪
おまけ(C2~C1選手が良くハマりがちな落とし穴)
この記事の前半で、回転がしにくい車両姿勢は下記3つ。
・車両姿勢が前下がりすぎる
・車両姿勢が前上がりすぎる
・車両姿勢が後上がりすぎる
とお伝えし、
え、前下がりと前上がりと後上がりがダメなら、後下がりにすればいいってこと?
というのが、C2~C1選手が良くハマる落とし穴であるとお伝えしました。
そして何を隠そう・・・
筆者自信もB級だった頃(VTRに乗ってた頃)にハマった張本人だったりします笑
ここから先に記載する内容は何か根拠があるわけではなく、筆者の想像でしかありません。
本当に「おまけ」として読んで頂けると幸いです。
なぜC2~C1選手は後下がりな車両姿勢にハマりがちなのか?
結論から言うと、
後下がりの車両姿勢は回転がキマリ易いと感じるライダーが多い
のではないか?と感じています。
先述の通り、
・前下がりすぎ
・前上がりすぎ
・後上がりすぎ
の3つに当てはまる場合、明確に回転がキマリ難い。もしくは回転で転倒することが多い。
と感じる場合が多いですが、
後下がりすぎの場合にはそういった不具合を感じにくいので、
相対的に「回転がキマるセッティングが出た」と感じるのではないか?
と推察しています。
更に、もうひとつ、
後ろ下がりの車両姿勢はバンクしやすいと感じる傾向がある
という点も、後下がりを助長する理由と考えています。
回転はキマるし、バンクも切り返しも軽快にできていたら、
あれ?このセッティング結構いいんじゃね!?
と思ったとしてもおかしくありません。
しかし、後下がりなセッティングには大きな落とし穴があるんです。
バンクしてる割に曲がらない
そうなんです。
多くの上級シード選手は「地面を切り裂くようなキレのあるターン」をされると思いますが、
後下がりなセッティングだと、あのようなキレのあるターンをするのは非常に難しいんです。
回転もキマるし、バンクも切り返しも軽快。
上級シード選手のように走れてるつもりなのになぜかタイムが出ない・・・
そう悩んでいる方は是非一度、
車両姿勢が後下がり過ぎになっているのではないか?
と、自身のセッティングを疑ってみることをオススメします。
↓この動画は2015年時点で筆者が最高だと思っていたセッティングですが、
今見返すと、なんでこんなのが最高だと思い込んでいたんだろう?と不思議になるくらいです。
もしタイムマシンがあったらこの頃に戻って自分にセッティング指導をしてあげたいですねw
過去の自分に指導することは叶いませんが、
読者の皆さんにはこういったノウハウを余すことなく全てお伝えすることが可能です。
もし興味をもって頂けましたら、
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