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【空気圧の罠】速い選手のデータは鵜呑みにするな!

Tips

どーも!しゃんばりです!
今日もライテク図書館にお越し頂きありがとうございます!!

突然ですが、皆さんは走行時のタイヤの空気圧は何kPaに設定されてますか?

モトジムカーナの練習会場や大会会場では、
「空気圧何kPaにしてる?」
「Q5はα13SPより空気圧高めが調子いいよ!」
「オレはフロント2.1kg/cm2、リア2.6kg/cm2だよ!」
見たいな会話をしているのをよく見かけます。

そして、中には「〇〇選手が△kPaって言ってたから自分もそうしてる」みたいな方もいらっしゃいます。

サスセッティングしかり、ライディングフォームしかり、何かの情報を鵜呑みにするのは往々にしてオススメはしませんが、特に空気圧に関してはオススメできない確固たる理由があるので、今回はそこについてご紹介していきましょう!



空気圧を調整する理由

そもそも皆さんはなぜタイヤの空気圧を調整する必要があるのか?をご存じでしょうか?
バイクやオーナーズマニュアル等に記載されているメーカー指定の空気圧ではダメなのでしょうか?

もちろん、通常走行においてはメーカー指定の空気圧で全く問題ありませんが、

メーカー指定空気圧は、1人でしか乗らない人も、タンデムする人も、体重50kgの人も100kgの人も、街乗りしかしない人も、高速道路を長距離移動する人も、荒れた路面を走る人も、ワインディングを流す人も、パニアケースを付けて走る人も、全員が特段不満なく走れることを狙って設定しています。

いわば、想定される様々な環境においてどこでも70点が取れる空気圧。を狙っているということです。

一方、モトジムカーナという限定された環境においては、2名乗車でタイムを競うこともなければ、コース内に200km/hを超えるようなストレートが存在することも、1000kmを超える長距離コースになることもありません。(少なくとも筆者は見たことがありません)

従って、「モトジムカーナという環境で100点を取れる空気圧」を狙うことが理論上可能なわけです。

また、タイヤの空気圧がタイムに与える影響は非常に大きく、上級シード選手同士の戦いになってくると、路面温度などの影響で狙いの空気圧から0.1kg/cm2変わってしまっただけで順位が入れ替わってしまうことすらよくあります。

従って、自分が最高のパフォーマンスを発揮できる空気圧を把握しておき、いつでもそれを再現できる状態にしておく必要がある。というわけです。

エアゲージは測定機器である

仕事で測定機器を使われる方であれば「測定精度」や「公差」、「校正」といった言葉は聞き馴染みがあるかと思います。

エアゲージも同様に量産品であり、測定機器であるため、下記の点には注意が必要です。

新品出荷状態で公差内でのバラつきを有しており、更に使用・経年によるズレが生じます。


あまりピンとこない人は、スーパーに売られている果物をイメージしてみましょう!


スーパーに売られている果物は、生産者の方々が出荷前に色・形・虫食いの有無などを確認し、出荷して問題ないものだけを選別して下さっています。

しかし、全く同じ味の果物は存在しませんよね?
しっかり甘みのあるものもあれば、酸味を強く感じるものがあったり、みずみずしいものとそうでないものがあったり。

同じ生産者、同じ畑、同じ時期に収穫した同じ果物であっても、ものによって微妙に味が異なるように、エアゲージも同じメーカー、同じモデルであっても、使用上差し支えないレベルで表示される測定値に微妙な差があるのです。

また、いくら新鮮な果物を買ってきたとしても、時間の経過とともに味が変化しますよね?
エアゲージもずっと使用していると、徐々に測定値にズレが生じることがあるのです。

この知識がないとこの先を読んで頂いても意味が分からないと思うので、「ふーん、そういうものなんだな」というレベルでもいいので認識しておいて頂けたらと思います♪



エアゲージの測定精度

エアゲージメーカーはいくつもありますが、有名どころの1つとして旭産業株式会社があります。
今回は参考に旭産業のエアゲージの精度をご紹介してみます。
出典:https://www.air-asahi.com/product/bc-1/

バータイプ(棒ゲージ)

コンパクトで保管場所に困らず、気軽に空気圧の点検ができるバータイプです。
どこぞのメーカーかもよく分からないような怪しい製品であればホームセンターなどでも購入できますが、測定精度は壊滅的に低い場合が多いです。

旭産業のものであればバータイプであっても十分に測定精度は高く、±10kPa(0.1kg/cm2)です。

ダイヤルタイプ

バータイプよりは場所をとりますが、目盛りが見やすいのが特徴。
また、製品によっては空気圧を測りながら空気を抜くことができるモデルもあります。
測定精度はバータイプ同様に±10kPa(0.1kg/cm2)です。

さて、勘のいい方はもうお気づきですね?

有名エアゲージメーカーである旭産業の製品でさえ、測定精度は±0.1kg/cm2
AさんとBさんが二人とも同社の同製品を使っていたとしても、それぞれのエアゲージの測定値は理論上最大で0.2kg/cm2の差が生じる

狙いの空気圧から0.1kg/cm2ズレただけで順位が入れ替わる世界で測定精度に0.2kg/cm2のズレがあったら、それはもう同じ空気圧とは言えない領域です。

もっと高精度なモデルもあるんじゃないの?と思ったそこのあなた!
ええ、ありますとも!!

高精度タイプ

デカい、重い、高いと3拍子揃った高精度タイプですが、「検査機としても使える」と謳っているだけあって測定精度は非常に高く、±3kPa(0.03kg/cm2)です。

そのお値段なんと9万円!!
少なくとも筆者のお小遣いでは一生買えない代物です・・・(泣

となると、現実的にはAさんとBさんのエアゲージの測定値には最大0.2kg/cm2の差が生じることを肯定する必要がある。ということですね。

この記事の最後にもっとリーズナブルでかなり高精度のエアゲージも紹介しますので、気になる方は是非最後まで読んでみて下さい♪



多くの人はエアゲージを校正していない

さてさて、エアゲージの測定値は新品であってもバラつきがある。ということはご理解頂けたかと思いますが、使用に伴ってそこから更に測定値にズレが生じることがある。というのも先述の通りです。

ですが絶望する必要はありません!

時間の経過とともに味が変化した果物を、鮮度が良かった時の味に戻すことは難しいですが、エアゲージはそれがある程度可能です。

使用に伴う測定値のズレを是正する手法を「校正」と呼びます。
大抵のエアゲージメーカーは1年に1度は校正を実施することを推奨しています。

出典:https://www.air-asahi.com/dayofgauge-3/


さぁ、果たして読者の中に年1で校正してるよ!って人は一体どれくらいいるでしょうか?笑
私はやってるよ!って人は是非コメントにて教えて下さい!

そう、つまり新品状態でも最大0.2kg/cm2ズレがある可能性があるのに、そのズレは更に大きくなる可能性が十分にあり得るわけです。

Aさんの〇kg/cm2 と あなたの〇kg/cm2 は同じじゃない

冒頭で、
中には「〇〇選手が△kPaって言ってたから自分もそうしてる」みたいな方もいらっしゃいます。
とお伝えしましたが、ここまで読んでくださった皆さんはもうお分かりですね!

その〇〇選手のエアゲージを毎回借りて空気圧を測っているなら話は別ですが、違うエアゲージを使った時点で、その選手と全く同じ空気圧にすることは非常に難しいのです。

では〇〇選手と同じ空気圧を再現するにはどうすればいいのでしょうか?

1. 〇〇選手のエアゲージを借りる
2. 〇〇選手のエアゲージを使って〇〇選手と同じ空気圧に調整する
3. 自分のエアゲージで測り、表示された測定値をメモする
4. 次回以降は自分のエアゲージがメモした測定値を示すように空気圧を調整する

上記手順をその選手が承諾してくれればかなり近い値を再現することが可能になります。

そこまでしてその選手と一緒にすることにどれだけの意味があるか?と言われると・・・
どうでしょう?笑

最善手は速い選手の完コピではない

突然ですが、皆さんは
空気圧を下げるとどうなるか。
空気圧を上げるとどうなるか。
下げ過ぎるとどうなるか。
上げ過ぎるとどうなるか。。。言語化できるでしょうか?

必ずしも言語化できる必要はありませんが、
空気圧の違いによって車両挙動にどのような違いが生じるのかは体感として理解している必要はあります。

なぜなら、あなたにとって最適な空気圧はあなたにしかわからないからです。

まだモトジムカーナを始めたばかりで右も左もわからないような頃は、とりあえずで速い選手の空気圧を真似るというのはアリですが、今より少しでも上手くなりたいと思ってこの記事をここまで読んでくださっているあなたは、もうそのステージではありません。

仮にあなたと全く同じ車種、全く同じセッティング、全く同じ体格、全く同じ体重で、乗り方まで全く同じ上位シード選手がいるならその選手の空気圧を完コピするのもアリですが、そもそもこの条件に当てはまるのならあなたは既に上位シード選手になっているはずです。

そして逆に、上記条件にひとつでも異なる点があるのであれば、もう上位シード選手の空気圧があなたにとって最適な空気圧ではない可能性が高いです。

オススメの空気圧選定方法

そうは言っても自分に最適な空気圧なんてわからないよ。。。
という方もいらっしゃるかと思いますので、筆者の主観としてオススメな空気圧選定手法をご紹介します。

タイヤウォーマーをお持ちでない方向け
1. タイム計測ができる練習会に参加する
2. 走行前(タイヤが冷えている状態で)メーカー指定空気圧に合わせる
3. タイヤが温まるまでウォームアップコースやタイムアタックコースなどを走行する()
(冬場なら最低5分以上、夏場なら3分程度は走行しましょう)
4. エアゲージで空気圧を測る
5. 4の空気圧からフロントだけ0.5kg/cm2下げる
6. 5の状態で走行する(走行するのはウォームアップコースでもタイムアタックコースでもOK)
7. 6の感想(接地感、切れ込み、転がり感などをどう感じたか)をノートにメモする
8. フロントの空気圧が1.5kg/cm2を下回るまで5~7を繰り返す
9. 8が終わったら「一番走りやすかった空気圧」を選び、その空気圧と理由をメモする
10. 5~9と同じことをリアタイヤでも行う
11. 前後とも一番走りやすかった空気圧に設定し、タイムアタックを行う
12. 11の空気圧からフロントだけ0.2kg/cm2上げる
13. 12の感想(接地感、切れ込み、転がり感などをどう感じたか)とタイムが11からどう変化したかをノートにメモする
14. 11の空気圧からフロントだけ0.2kg/cm2下げる
15. 14の感想(接地感、切れ込み、転がり感などをどう感じたか)とタイムが11からどう変化したかをノートにメモする
16. 15が終わったら11,12,14の中で「一番走りやすかった空気圧」を選び、その空気圧と理由をメモする
17. フロントは16の空気圧、リアは11の空気圧に調整し、12~16と同じことをリアタイヤでも行う
18. 前後それぞれを11,12,14の中で一番走りやすかった空気圧に設定する
19. 18の空気圧からフロントだけ0.1kg/cm2上げる
20. 19の感想(接地感、切れ込み、転がり感などをどう感じたか)とタイムが18からどう変化したかをノートにメモする
21. 18の空気圧からフロントだけ0.1kg/cm2下げる
22. 21の感想(接地感、切れ込み、転がり感などをどう感じたか)とタイムが18からどう変化したかをノートにメモする
23. 22が終わったら18,19,21の中で「一番走りやすかった空気圧」を選び、その空気圧と理由をメモする
24. フロントは23の空気圧、リアは18の空気圧に調整し、19~23と同じことをリアタイヤでも行う
25. 前後それぞれ、全工程の中で一番走りやすかった空気圧とその理由をノートにメモする
26. 前後それぞれ、全工程の中で一番タイムが速かった空気圧をノートにメモする
27. 25と26の空気圧が同じにならなかった場合、その理由を考察しノートにメモする
28. 次回、別の練習会に参加した時に25と26の空気圧をそれぞれ試し、27と同じ結果になるか確かめる

タイヤが冷えている状態、且つ空気圧が高い状態はいつもよりタイヤが滑りやすいですので、走行し始めは十分ご注意下さい。

タイヤウォーマーをお持ちの方向け
1. タイム計測ができる練習会に参加する
2. タイヤウォーマーで十分にタイヤを温める
3. タイヤが十分に温まった状態でメーカー指定空気圧に合わせる
4. 3の空気圧からフロントだけ0.5kg/cm2下げる
以降は”タイヤウォーマーをお持ちでない方向け”の手順と同じ

どうでしょうか?想像以上に手順が多いと感じた人が多いのではないでしょうか?
上級シード選手のように経験値が豊富になってくるとある程度途中の手順を省略できるようにはなりますが、本質的にやっていることは他の上級シード選手と同じと考えて頂いて差し支えないと思います。
(私は違うよ!っていう上級シード選手がいたら是非コメント下さい!)

ちょっと億劫に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、この手順を踏めばあなたにとって最適な空気圧にかなり近づくのではないかと思います。
騙されたと思って試してみて下さい♪

リーズナブルで高精度のエアゲージ紹介

旭産業の通常モデルでは測定精度が±10kPa(0.1kg/cm2)あり、
高精度モデルでは±3kPa(0.03kg/cm2)になるものの、お値段異常アサヒ♪って感じなので、
通常モデルよりは高精度だけど、高精度モデルよりリーズナブルなエアゲージがあればなぁ…と思った方も少なくないのではないでしょうか?

そこでそんなあなたにピッタリなのが
BRIDGESTONE レーシングエアゲージ RCG-10です!

±6kPa(0.06kg/cm2)の高精度で、お値段なんと1万円!
もちろん校正も可能です!

おわりに

今回は「速い選手のデータは鵜呑みにするな!」ということでご説明してみました。
いかがだったでしょうか?

もしご意見やご質問などありましたら、お気軽にコメント頂けますと嬉しいです♪

最後まで読んで頂きありがとうございました!!



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